
「さしす梅漬けに挑戦してみたけれど、なんだか思っていた味と違う…」そんながっかりした経験はありませんか?
レシピサイトでは「簡単」「失敗しにくい」「美味しい」といった声が目立つさしす梅。でも実際に漬けてみると、「渋い」「甘さが足りない」「酸味がとがっている」と感じることも。
私も毎年仕込んでいますが、2024年は硬めの梅を選んでしまい渋みが抜けず大失敗。それでも漬け汁を冷蔵庫で1年寝かせてみたところ、角の立っていた酢と塩が驚くほどまろやかに変化しました。発酵や熟成の奥深さを実感した瞬間です。
本記事では、そんな体験談を交えながら
- 「さしす梅が美味しくならない4つの原因」
- 「失敗してもリカバーできる3つの対策」
を分かりやすく解説します。次の梅しごとで“理想のまろやかさ”を手に入れましょう。

さしす梅が「美味しくない」と感じる4つの理由
1. 梅が完熟していなかった
完熟梅は甘い香りと薄い皮が特徴。青みが残る固い梅で仕込むと渋み・苦味が出やすくなります。
失敗例 2024年:硬めの南高梅を使用 → 渋みが最後まで残った
対策:梅は購入後すぐに使わず、段ボールに重ならないように並べ常温で2〜3日追熟させ、黄色く色づいた状態で漬けましょう。全体が黄色く色づき甘い香りが立てば OK。
さしす梅に適しているのは、香り高く皮が柔らかい完熟梅。ところが、少し青みの残った梅や固い状態のまま漬けてしまうと、渋みや苦みが出やすくなります。
実際に私が漬けた2024年のさしす梅は、少し硬めの梅を使ったこともあり、渋みが抜けずに残ってしまいました。その前年(2022年)はよく熟した南高梅を使用したところ、香りも味もまろやかで家族にも大好評。梅の熟度は、味の良し悪しを大きく左右する大事なポイントです。
2. 砂糖や酢の配合バランスが悪かった
砂糖が少ないと酸味が立ち、逆に酢が多すぎるとツンとした刺激が残ります。
対策:
- 砂糖はコクの出るざらめ糖・粗糖を使用
- 酢は純米酢などまろやかなものを選び、レシピ通りの比率を守る
- 1か月後の味見で砂糖を追加するなど微調整
さしす梅の名前の通り、「さ=砂糖」「し=塩」「す=酢」を使って漬けますが、この分量バランスがずれてしまうと、味に違和感が出ます。特に砂糖が少ないと酸味が際立ち、甘さが足りないと「酸っぱいだけ」「渋い」と感じがちです。
私自身、2024年の失敗時は砂糖の量を控えめにしたところ、甘さの不足に加えて渋みも気になり、全体的にとがった味になってしまいました。
✅ 対策:
- 砂糖はコクとうま味のあるざらめ糖
- 酢は香り、うま味が良く、原材料にもごだわったもの
- 酢と砂糖の調和が大切!
3. 使用する酢の種類が好みに合っていない
酢の種類によって、仕上がりの風味が大きく変わるのも、さしす梅の奥深いところ。ツンとした酸味が強い穀物酢を使うと、酸味が苦手な方には「美味しくない」と感じられる原因になります。
香りとうま味、原料もこだわった酢を選ぶのがポイントです。
4. 梅の品質や保管状態の影響
梅の状態や、漬けるまでの保管方法も重要です。風通しの悪い場所に置いていたり、梅の一部が傷んでいたりすると、風味が落ちてしまうことがあります。また、保存中の温度変化が激しいと、漬け上がりの味が安定しないことも。
✅ 対策:梅は届いたらすぐに状態を確認し、追熟→早めに漬けるのがコツ。香りがしっかり立つものを選びましょう。
私のさしす梅体験談:年ごとの仕上がりを比較
さしす梅は「同じ分量で漬けても、なぜか味が違う」というのが面白くもあり、難しいところです。私のここ数年の記録を表にまとめてみました。
年 | 仕上がり | コメント |
---|---|---|
2022年 | ◎大成功! | 完熟梅を使用し、香り・甘みともに理想的な味に。来客にも好評でした。 |
2023年 | ○普通 | 詳細な記録は残っていませんが、特に問題もなく、無難な仕上がり。 |
2024年 | △塩・酢が目立った | 梅が未熟で砂糖控えめ。結果として渋みが目立ち、失敗気味。 |
2025年 | 仕込み中 | 完熟梅、横山さんおすすめの調味料を使う。経過を見守り中です。 |
ちなみに、2024年に漬けたさしす梅の漬け汁は、使わずにそのまま冷蔵庫で1年間保存してみました。すると、当初感じていた酢や塩のとがりが落ち着き、まろやかで深みのある味に変化していたのです。
渋みが残った梅実は魚の梅煮や煮物のアクセントに流用。旨味アップで“結果オーライ”
こうした記録をつけておくと、翌年の改善にもつながりやすくなりますよ。
教訓:失敗=即廃棄ではなく、時間を味方に熟成させる選択肢もアリ。

さしす梅を美味しく仕上げるコツ
1. 梅は完熟梅で
黄色くなり、甘い香りが立つ完熟状態がベスト。硬すぎる梅は漬けても酸味と渋みが勝ちやすいです。
2. 酢と砂糖の種類を変えてみる
酸味が強すぎるなら、「酢」を少な目にしてみる等、変えてみましょう。
3. 1ヶ月後に味見して微調整
もしも味がとがっている場合は、途中で砂糖やはちみつを追加するなどの修正も可能です。
気になる場合は一部を取り分けてドリンク用にも活用できます。
おすすめ材料と道具
- 【完熟南高梅】香り高く肉厚、初心者にもおすすめの梅
- 【純米酢】酸味が柔らかく、さしす梅に最糖
- 【さとう】ざらめ糖、さとうきび100%の粗糖
- 【しお】藻塩、発酵させたホンダワラの海水をかけて塩を作る「古代製塩法」で作られた塩
- 【保存瓶(3〜4L)】煮沸消毒可能で、密閉性が高いものが理想
まとめ|味のばらつきも楽しみに変えよう
さしす梅漬けの味は、梅の熟度・調味料の質と配合・保存環境という小さな差で大きく変わります。うまくいかなかった年は「原因をメモ→翌年改善」のチャンス。さらに、失敗作でも1年間寝かせれば驚くほどまろやかになる可能性があります。
今日の学びを次の梅しごとに生かして、あなた好みの“究極のまろやかさ”を目指しましょう!
私自身、年ごとの失敗と成功を記録することで、少しずつ理想の味に近づいていると実感しています。来年こそ「最高のさしす梅」ができるよう、この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです。
よくある質問(FAQ)
Q. さしす梅が酢が強すぎる原因は?
→ 未熟梅の使用、砂糖のこく不足、酢の種類ミスマッチが主因。完熟梅+純米酢+砂糖追加で改善可
Q. 酢の種類で味に違いは出る?
はい。穀物酢は酸味が鋭くなりやすく、国産の純米酢がおすすめ。気になるなら量を少な目に。
引き続き「発酵・梅しごと」関連の記事も充実させていますので、ぜひチェックしてみてくださいね!
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