映画「かがみの弧城」の疑問点とラストを考察します。
今回紹介するのは下記の「５つ」。ネタバレ含みますのでご注意ください。
考察①7人の今いる世界の年号は？
登場人物は色々な時代からやってきていましたね。７年ごと年が離れています。途中の1999年はお姉さんでした。
スバル（1985）
アキ（1992）
こころ、リオン（2006）
マサムネ（2013）
フウカ（2020）
ウレシノ（2027）
考察②カギの隠し場所のヒントは赤ずきんちゃん？
「赤ずきん」は有名なグリム童話ですね。赤ずきんちゃんがおばあさんの家に行くとオオカミがいて食べられてしまうというお話です。
城のルールでは5時を過ぎて城にいるとオオカミに食べられてしまいます。そんな食べられてしまう存在ということを赤ずきんちゃんという言葉で言っているようにとれます。
でも、実はこれがヒントだったのです。カギのある場所は、同じ「グリム童話」で「７人（匹）」のキーワードから連想される「オオカミと七匹の子ヤギ」にヒントがありました。
子ヤギが隠れている場所こそがカギのありかを示すもので、最後のひとつは見つからない場所でした。こころが友だちの家の絵をみてそれに気づくのですね。
考察③アキはこころのことを覚えていた？
フリースクールでアキはこころと再開します。きっとアキは14年後にこころが来るときに力を貸そうと思って待っていたのでしょうね。机を挟んで初めて会った時には、アキは机の下でこころに見えないところで手を握るようなポーズをします。これは自分の手をこころがつかんで助けてくれたことを思い出してしたポーズですね。
そして、心の中で「大丈夫だから。大人になって、こころ」と語りかけます。アキはこころのことを覚えていたのです。そして、今は学校という狭い世界しか見えていないけれど、もっと広い世界があるよ、もうすぐそれがわかるときが来るよ、と言っているのだと思います。
実際に、その後、こころは６人の友達ができ、友だちそれぞれが色々な悩みを抱えていることをしります。そして、少しづつ自分の悩みに立ち向かおうという気持ちになっていくのです。
アキもこころ以上に家も学校も両方とも大変な環境であるにも関わらず、それを乗り越えて幸せな毎日を過ごしている。だから、同じように、こころにも大丈夫と伝えたのですね。
考察④お姉さんは弧城で何をしたかったの？望みはなんだったの？
オオカミ様の正体はお姉さんでした。病室から城に通っていたんですね。では、お姉さんは弟を含めて様々な違う時代を生きる子供たちを集めて何がしたかったのでしょうか。
自分が助かることを願ってほしかったのだろうか。違うと思います。自分は助からないとわかっていながら、未来の弟が中学生になり自分の気持ちを押し殺して生きていることを知り、最後の望みとして、神様にこの弧城をつくってもらったのではないでしょうか。
そして、弟の望みを叶えるためには友だちが必要。心の底から助け合える友だちが必要と考えた。そうやって成長した先に弟リオンの幸せがあると。結果的にその通りになります。弧城でみんな成長し、リオンも雪科第五中学校に通えることになった。
だからお姉さんは安心して最後を迎えることができただろうと思います。
考察⑤こころの夢は叶ったのか？
物語のはじめにこころは夢について語っています。
「転入生がやってくる。その子はなんでもできる素敵な子。たくさんいるクラスメートの中で私をみつけ、太陽なまぶしい笑顔を浮かべ、こころちゃん久しぶりってまっすぐ近寄って来る。みんな息を飲む。そんな奇跡が起きたらいいとずっと願っている」というものです。
ラストシーンでリオンが登場しますが、きっとこの後、教室でこのとおりの奇跡がおこるのです。リオンという力強い味方を得て、しっかりと前を向いて歩いていくことでしょう。
以上が、映画「かがみの弧城」の疑問点とラストの考察でした。
あれ！？そんなセリフやシーンがあったっけ？
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総合評価＆あらすじ
「かがみの弧城」のあらすじ
学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、
吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。
さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、
「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。
期限は約１年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、７人には一つの共通点があることがわかる。
互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が７人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う――――
果たして鍵は見つかるのか？なぜこの７人が集められたのか？
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは？
全ての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―
予告映像はこちら↓
公式サイトより
みんなの評判は？
「かがみの弧城」は最近のアニメ映画のような派手さはありませんが、みなさん丁寧に作られているのを感じておられますね。また、号泣したという声もたくさんありましたよ。
かがみの弧城を見てきました。すごく良かった… 丁寧で繊細で。原恵一監督なので、事前情報をあまり入れずに見たけど正解だった。上映回数減ってるけど8割くらい入ってた pic.twitter.com/VbIh750wmq
— ぱらいそ/わたこ (@paraiso510) January 22, 2023
今年最後に見た映画「かがみの弧城」今年111本目に観た本作。ここの所映像がすごいアニメが多く，ちょっと大丈夫かな？と思ったものの，主人公達中学生のある問題に対しての描き方，そして伏線と回収がお見事。ある展開は、途中で気付いたものの声を抑えるのが難しいほど号泣。流石原監督。素晴らしい! pic.twitter.com/zCIcG7WKQT
— tetu106r (@tetu106r) December 31, 2022
こんな人にオススメ
一言でいえば心のこもった映画でした。公式ページ」のトップに原作の辻村深月さんの言葉があります。
「私の描いた通りのこころたちがいて、
描いた通りの感情と時間がありました。
原監督に彼らの弧城をお願いできて、本当によかったです。
辻村深月」
本当にこの言葉のとおりだと思います。控えめな映像が逆に登場人物ひとりひとりの感情をしっかりと伝えてくれます。7人それぞれが生き生きとそこにいて、悩みながらも前を向こうとしている。
そんな姿を自分もいっしょに共有している。そういう気持ちになりました。
余韻に浸れて、いろいろ考えさせられる映画です。
かがみの弧城良すぎた。
— がーけん@よしのん！ (@ga_ken0426) December 31, 2022
僕は映画館で良い作品見ると見る前と見た後ってちょっと世界が変わった感覚になるんだけど←抽象的で半端ない。
まさにこの作品これだった。
今年の最後に今年２度目の感覚ありがとう。
まとめ
「かがみの弧城」の疑問点やラストについて考察しました。
あれっ…？
そんなセリフやシーンがあったっけ？
もう1度見てみたいなぁ…
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