映画「ある男」の疑問点とラストシーン(結末)の考察 配信は?(窪田正孝、安藤サクラ、妻夫木聡)

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映画 ある男

映画「ある男」の疑問点とラストを考察します。

今回紹介するのは下記の「5つ」。ネタバレ含みます。

  1. 谷口大祐(=ある男X)の本当の性格は?
  2. 大祐の息子が「悲しくははないけどさびしい」と語った言葉の意味は?
  3. 詐欺師の小見浦(柄本明)が城戸弁護士を挑発したのはなぜか?
  4. 300歳まで生きる人間とは?
  5. ラストの結末の意味は?

考察①谷口大祐(=ある男X)の本当の性格は?

谷口大祐(窪田正孝)は文房具屋に登場シーンからどこか影のある男という雰囲気です。本当の自分を隠していたわけですが、どんな性格だったのか考察します。

父親の犯罪から目立たないように生きてきた谷口。自分の中に父親の姿を見るたびに嫌悪感で吐いてしまうほどの強烈なトラウマ。そういった過去を捨てて宮崎で「木」に携わる仕事につきます。人ではなく自然を相手に心静かに暮らしたかったのでしょう。趣味は絵を描くこと。絵は風景が中心。人は遠くから眺めて小さく。

そんな谷口が安藤サクラ演じる谷口里枝との約3年間の家族生活を味わうことになります。子供と嬉しそうに接する父親の姿が見られました。それを近くで見ていた理枝の言葉からどんな性格だったのか伺えます。

城戸(妻夫木聡)の「いい絵ですね。少年がそのまま大きくなって書いたみたいな」という言葉に対して理枝が「夫はそのままの人だったんです」と答えます。

この言葉こそ谷口の性格であり人を言い表しているのではないでしょうか。人と接することなく、世間や大人を避け、自分をも受け入れられない。そんな少年のような危うさを持つ純粋な人だったと思います。

考察②大祐の息子が「悲しくははないけどさびしい」と語った言葉の意味は?

息子の悠人は大祐の本当の子供ではありません。悲しいというのはどこか相手との距離を感じますが、さびしいという言葉は距離の近さを感じます。

いつも近くにいた親密な人がいなくなって、心にぽっかりと穴が開いてしまったさみしさが伝わってきます。それほど二人は本当の親子のようなつながりを感じさせます。

考察③詐欺師の小見浦(柄本明)が城戸弁護士を挑発したのはなぜか?

城戸は2回小見浦に会いますが、馬鹿にしたような態度で挑発してきます。城戸にとって一番触れられたくない在日3世であることも見破られてしまいます。

何を言われても動じない城戸を見ていて小見浦は腹がたってきたのではないでしょうか。だから「私だけどうして戸籍を変えていないと思うんですか?バカですねー」などと言って怒らそうとして挑発したのです。

それも相手の心の深くを動揺されることで自分のペースに持ち込む一流の詐欺師のテクニックを駆使して。

もちろん、弁護士である城戸にそんな手口は通用しないものの、このあたりから、ある男Xが何者かを探るなかで、在日という本当の姿を隠す自分は何ものなのかということを自問しはじめることになります。

考察④300歳まで生きる人間とは?

城戸は詐欺師の小見浦から300歳まで生きる人間がいるということを聞かされます。300歳というのはどういうことか?

それは、今回のケースでいえば谷口大祐は、戸籍上は今後も死なない(すでに誰もその名前を名乗る人がいない)から、この先もずっと生きることになる。そうした戸籍を放棄した人は過去にもたくさんいたということを言っていると思います。

考察⑤ラストの結末の意味は?

本作は、ラスト前で、ある男の謎も解けてすっきりとエンディングを迎える雰囲気でした。それが、妻の浮気のラインから始まって、急転直下のラストとなりました。

バーのカウンターで城戸は見知らぬ男性客と「木は山で50年、伐られてから人間と50年過ごします。親が植えて、子が伐るという感じ。長男は13歳、下に娘がいます。実家は温泉。。。。」と話しをします。そして名前を聞かれて「・・・The End」となります。

これをどう考えたらよいでしょうか。城戸はまさに谷口大祐になり替わって話をしています。飲んだ勢いでそんな風に話をしているとも考えられます。しかし、考察④で述べたように、谷口大祐は戸籍上に存在しますが、実在の人間はいません。つまり、城戸がその気になればなりすましができるということです。

地位も家族もある城戸がそれらを捨てて谷口になるとは思えませんが、強い憧れのようなものは感じます。在日を背負った本人にしかわからないうっ積した感情が、目の前のまっさらな新しい人生に飛び込みたいという感情を抑えきれなくなっているとも考えられます。

以上が、映画「ある男」の疑問点とラストの考察でした。

総合評価&あらすじ

「ある男」のあらすじ

弁護士の城戸(妻夫木聡)は、かつての依頼者である里枝(安藤サクラ)から、
亡くなった夫「大祐」(窪田正孝)の身元調査という奇妙な相談を受ける。

里枝は離婚を経て、子供を連れて故郷に戻り、やがて出会う「大祐」と再婚。
そして新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を築いていたが、
ある日「大祐」が不慮の事故で命を落としてしまう。
悲しみに暮れる中、長年疎遠になっていた大祐の兄・恭一が法要に訪れ、
遺影を見ると 「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。

愛したはずの夫「大祐」は、名前もわからないまったくの別人だったのだ‥‥。

「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。
何故別人として生きていたのか。

「ある男」の正体を追い“真実”に近づくにつれて、
いつしか城戸の心に別人として生きた男への複雑な思いが生まれていく―――。

松竹サイトより

みんなの評判は?

「ある男」は日本アカデミー賞受賞など世間でも本当に話題になりましたね。絶賛する声がたくさん寄せられています。

こんな人にオススメ

一言でいえば名作になりうる映画。映画のおもしろさがぎゅっと詰まっています。かといって決してファンタジーのような仮想の話ではなく、誰もが心の中にある「違う自分」になりたいという願望や日常への葛藤など、どこにでも誰にでもあっておかしくない今の世の中を映し出したお話です。

物語は終始、静かにそして重たく展開していきますが、決して嫌な感じではありません。むしろ、ところどころに人のやさしさや切なさというものがにじみ出てきます。

久々にいい映画みたな、そんな気持ちになる映画です。

まとめ

「ある男」の疑問点やラストについて考察しました

  1. 谷口大祐(=ある男X)の本当の性格は?
  2. 大祐の息子が「悲しくははないけどさびしい」と語った言葉の意味は?
  3. 詐欺師の小見浦(柄本明)が城戸弁護士を挑発したのはなぜか?
  4. 300歳まで生きる人間とは?
  5. ラストの結末の意味は?

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