発売から60年以上が過ぎたレトロな商品が、いま大ヒットしている。大阪の従業員数58人の小さな石けんメーカー「東邦」が作る洗濯用の石けん「ウタマロ」。
洗濯機と液体洗剤の普及で廃番の危機を乗り越え、年間1200万個も売り上げるまさかのV字回復!
東邦社長の西本武司さんに聞きました。
ウタマロせっけんの歴史
ウタマロせっけんは、昭和32(1957)年に誕⽣。関東以北を中心に⼈気に。しかし、バブル崩壊とともに廃業。その時、多くのお客様から「ウタマロせっけん」を廃番にしないで欲しいという声が噴出。
東邦が「ウタマロせっけん」の製造から販売までを⼿がけることになり、全国で販売されるようになったのです。

ウタマロせっけん廃盤の危機からの復活
ヒットのきっかけは意外な用途に気付いたこと。ウタマロせっけんを販売不振に追い込んだのは洗濯機の普及による粉せっけんの台頭。もともと、手洗い用の洗濯石鹸として使われていウタマロはあっという間に販売がおちこんだ。
その洗濯機がヒットのきっかけを与えてくれたのだ。洗濯機との共存。洗濯機が苦手な落ちない強力な汚れに対する「部分洗い」という新たな役割が与えられていたことに愛用者の声から気が付いた。
高機能洗濯機も次々登場する中、レトロな石けんが今大人気なのか?
小さな会社が仕掛けた独自の販売戦略とは、
・口コミのひとつひとつを大切に
・お店で試供品を配ってウタマロファンを増やす
・お客さんに一番近いお店の人をファンにすることで、お客さんに拡散
・バーテンダー、神職など、部分洗いに使う人をターゲットにファンにする
・足袋をはく人をターゲットにするため呉服店に売り込み
・SNSで活用方法をチェック
・4人の営業マンが全国ローラー作戦として実演販売
ウタマロせっけん 黄ばみ汚れに 使い方
泥だらけの靴下が真っ白に
柔らかく溶けやすい「ウタマロせっけん」には「純石けん成分」が98%入っており、これがほかの石鹸に負けない汚れ落ちの良さ、高い洗浄力を発揮。一般に「純石けん成分」の割合が多いと汚れ落ちなどが良いと言われています。
「ウタマロせっけん」は、弱アルカリ性で、白い物をより白く見せる成分「蛍光剤」が若干入っています。白いシャツやTシャツ、白い衣類の汚れがきれいに落ちます。
シャツの黄ばみ汚れ
ガンコな汚れもスッキリ真っ白にもどしてくれる「ウタマロ石けん」ですが、実は、衣類の黄ばみ汚れも落として真っ白に洗い上げることができるんです。
ウタマロせっけんの裏技 活用法
ウタマロ石鹸は「もちにくい」「とけやすい」など製品としての欠点があります。でも主婦の方々のいろんなアイデアでそれを解消、結果としてさらに使いやすくなっています。
・100均のバタースティックを使った「スティックマロ」。もちやすく手も汚しません。
・ウタマロを小さなキューブ状にカットした「ちびマロ」。少量づつ使えて便利。見た目もよし。
・ピーラーでうすくスライスすることで洗いやすい「リボンマロ」。
・粉状にして、粉せっけんのように使う「粉マロ」
・水にすぐ溶けるのでつけ置き洗いもしやすい
⇒部分洗い用石けんの強みである「よく落ちる」という特徴をとことん生かしている
ワイシャツの襟の汚れを毎日ウタマロで落としています。白いTシャツも元のように白くなりました↓
専用ケースがあればウタマロ石けんをしっかりと持てるので、汚れた部分にピンポイントにしっかり塗ることができます↓やわらかいシリコン製で滑らず使いやすいです。
家の中の掃除に使うのに便利な液体タイプもありますよ。
まとめ
自分の使い方や工夫による、自分だけのウタマロ石鹸という気持ちにさせるのが、実力以外のもうひとつの愛用される理由かもしれませんね。
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