映画「シン・仮面ライダー」５つの疑問と考察

「シン・仮面ライダー」の疑問点を考察します。

今回紹介するのは下記の「５つ」。ネタバレ含みます。

疑問①本郷猛は勝手に改造されたのになぜ怒らない？

本郷猛（池松荘亮）は大学の研究所に在籍し、恩師である緑川博士のことを慕っていた。慕っている先生とはいえ、自分の体を勝手に改造されたことに普通は怒るはずだ。それを淡々と受け入れていることに違和感を覚えた人も多いだろう。

改造後にはじめて対面した緑川博士は、本郷に対して「大きな力にあこがれていたから、それを与えた」といっている。いくらなんでもいい加減すぎる理由だ。ルリ子も同じことを言っている。

では、なぜ怒らなかったのか。それは、体の変化に戸惑いはありつつも「力」というものに対して、今の自分を変えてくれる何かを感じたからではないか。他のオーグも仮面ライダー２号も改造されたことに対して肯定的、いや喜んでいる。

仮面ライダーの魅力の本質には「変身」がある。変身によって未知の力を手に入れ、今の不自由さから自由になれる、ヒーローになれる。だから、改造されても文句はない、これこそが仮面ライダーの世界なのかもしれない。

今回いろいろなオーグが出てきますが、美しさという点ではこのハチオーグのヒロミ（西野七瀬）が一番でしたね。和装のオーグですから。

ヒロミとルリ子は同じくショッカーで育った仲で、おそらく姉妹のように仲が良かったのではないでしょうか。

同じショッカーで育ったとはいえ、ルリ子は緑川博士の近くにいながら兄イチローもいる家族を持っている。一方で、自分はオーグに改造され戦いだけの道を進んでいる。そんな自分を受け入れられずルリ子を憎み妬みといった複雑な感情のもとだったのではないでしょうか。

それでも姉妹のことのように慕っていたルリ子を憎み切ることができない気持ち。それが、最後の言葉になって現れたのだと思います。「ルリルリに殺されたかった」と。

ハチオーグとの戦いのあとに仮面にブログラムを移行する作業をしていた緑川ルリ子（浜辺美波）。

本郷猛がルリ子に何をしているのか聞くと、アップデート作業という返事があった。その直後にアップの画像になり、ルリ子が何かをつぶやく。

その言葉とは、その後、仮面に仕込まれていた遺言がでてくることから「遺言」だったということがわかる。この時点ですでに近いうちに死が訪れることを予測していたというが胸にささる。

美波ちゃん、シン仮面ライダーで確実にファン増えてるだろうな。

それだけ緑川ルリ子は魅力的だった#浜辺美波 pic.twitter.com/Fen9r04ocD
— まさき🐻 (@qw9rk_z829) April 18, 2023

終盤のふたりのライダーとの戦いのあと、本郷が自らの仮面を緑川イチロー（森山未來）にかぶせる。そこにはルリ子の姿が。そして抱擁するふたり。

そのあとで「ここは三人には狭すぎる」といって後ずさりしながら消えていくイチロー。こことは、イチローが作り出したハビタット世界と思われる。

そこには、ルリ子のほかに本郷猛もいて、自分も含めて３人。イチローは妹であるルリ子と本郷の幸せを願い自分は自ら身をひいて消えたのだと思う。

これは漫画と同じ設定。仮面をかぶった時には仮面の中の本郷猛と一文字隼人が話しをすることができるようになるということ。

仮面の中で本郷猛が生き続けているということは、改造人間が存在する世界であれば充分に復活することも考えられる。そんな未来への希望を感じさせてくれる。

※バイクのシーンは山口県の角島ですね

以上が、「シン・仮面ライダー」の疑問点の考察でした。

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