今回のテーマは食材の保存。長持ち、美味しさをキープの方法をお伝えします。
冷凍生活アドバイザー・冷凍食品開発コンサルタントの西川剛史さんに教えてもらいました。
冷凍王子 西川剛史さんに聞く 肉と魚の保存ワザ
冷凍王子こと西川剛史さんは、冷凍生活アドバイザーとして、食材の冷凍・解凍のテクニックを多くのメディアで紹介しています。
肉と魚の保存ワザについては、以下のようなポイントがあります。
肉と魚は、買ってきたらできるだけ早く冷凍する
冷凍するときは、空気に触れる面積を極力少なくすること
冷凍する前に下味をつけると、乾燥や酸化を防ぎながら味がしっかり染み込む
解凍するときは、低温でゆっくり解凍するのがベスト
ついついやりがちな、食品トレーごとの冷凍はNG。
※ 中に空気が残っているので、冷凍したときに肉や魚が乾燥・酸化します。
また、むき出しのままの肉や魚は酸化が進みやすく嫌なにおいや味がすることも。
極意その1 美味しく冷凍するには とくかく空気を遮断
買い物のときから、すぐ食べるもの、冷凍するものと計画的に購入するのがおすすめです。
水分が抜けて空気に触れると食材が酸化して味がおちてします。
冷凍前に空気を遮断すると、保存した肉や魚は美味しくなります。
ラップと保存袋のW使い。 冷凍するときは、空気に触れる面積を極力少なくすることが重要です。
食品用ラップフィルムでぴったりと包み、さらにフリーザーバッグに入れて空気を抜きます。
薄い肉の解凍ワザは?
薄い肉は保存袋のままパキパキ折ってそのままフライパンへ。
食品の品質を落とす「魔の温度帯 マイナス5度からマイナス1度」をかなり早く通過することができる。
この温度帯に長くいると水分やうまみが流れ出してしまう。なので、劣化を防ぐためには、この温度帯になる時間帯を少しでも短くなるようにすることが鉄則、できるだけ早く凍結する必要があります。
加熱解凍なら、冷蔵庫よりも短くできる為、水分やうま味をキープできます。
鶏もも肉など厚みのある肉の解凍ワザは氷水解凍がおすすめ
鶏もも肉など解凍にかかる時間は、冷蔵庫約8時間、氷水約2時間。
空気に比べて水は熱を伝える能力が高い。温度が低くても早くおいしく解凍できる。
夏の水道水の温度は約25℃、氷がなくなったら氷を足す。
魚介類は氷漬け冷凍
魚(1匹まるごと)、エビ、貝は、食材全体を隙間なく氷でコーテイングする。水を注いで凍らせるだけの方法です。
水面から食材が出ないようにすることが注意点。食材全体を隙間なく氷でコーティングできるので、乾燥・酸化をしっかり抑えることができます。
保存袋に水を入れそのまま冷凍してもO.K。
冷凍保存の目安⇒約1か月
使う時は、冷凍しじみは鍋に入れ、酒を少し入れる。お味噌を入れてしじみ汁に。
エビや魚は水に浸けて置くだけでO.K
オイル漬け冷凍(肉や切り身魚も)
調理の際、薄切り肉の場合は油ごと、フライパンで加熱解凍。厚いものは一度氷水解凍で肉汁たっぷりの味を楽しめる。
薬味(しょうが、青じそ)も冷凍保存
皮付きのまま保存袋にいれます。食べるときには、
しょうが⇒凍ったまますりおろしでおろししょうがに
みょうが⇒半解凍で
青じそ⇒凍ったまま
また、刻んが薬味をただ冷凍する、使い勝手の良い薬味ミックス。
凍ったままパラっと使えて便利です。
冷凍おすすめの食材
アボガド
半解凍でねっとりやわらか!アイスクリーム風デザート。はちみつをかけても栄養満点。
豆腐(木綿・絹)
1.豆腐(木綿・絹どちらでも)・・・2cm位の薄さに切って保存。
食べ応えばっちり。豆腐ステーキにするのがおすすめ。(流水解凍をして、手で水気を絞って、薄く薄力粉をまぶして焼くだけ!)
長いも
1.長いもは皮をむきラップを巻きます。空気の侵入を防ぐためにラップはぴっちり。
2.さらに保存袋に入れ中の空気をしっかりと押し出します。
凍らせた長いもは、持つところをキッチンペーパーでくるみ、おろして使います。まぐろの山かけに使えます。ふわふわの新食感を楽しめます。ちなみに溶けると、通常にとろろに、お好み焼きなど、少量使いに便利。
食パンの冷凍方法 味をアップデート
冷凍したパンのイメージはあまりよくないのではないでしょうか。
アルミホイルで包んで冷凍するとパパサつきにくくニオイも防いでくれる。
やり方
1.ホイル包みをするように、アルミホイルを合わせて包む。
2.保存袋に入れ、しっかりと空気を抜いて入れる。そのまま焼いてもおいしいが前日から解凍すると味わいがアップします。
※パン屋さんで焼きたてのふわふわ食感が好きな人は、電子レンジの解凍がおすすめ。
冷凍豆知識
野菜室に入れる前にどうすれば長持ちする?
「袋から出す」のと「袋から出さない」のどちらが良いか。
答は「袋から出さない」です。
冷蔵庫の中は乾燥しているので袋から出すと葉がしなしなになってしまいます。できるだけ袋に入れた状態の方が乾燥を防ぐことができます。
キャベツのどこをとると長持ちをするのか?
「外側の葉をとる」「芯をとる」のどちらでしょうか?答えは「芯をとる」です。
芯をとって濡らした紙タオルを詰めてあがると良いそうです。キャベツは収穫された後も成長しているので、その成長点である芯をとってあげると成長がとまって劣化しにくくなるそうです。
夏は冷蔵庫で保存した方が良い野菜は?
「じゃがいも」「にんじん」「たまねぎ」「全部」のどれでしょうか?
答えは「全部」です。
根菜類は秋冬は常温で大丈夫ですが、暑いときは冷蔵庫で保存しましょう。
野菜の劣化のもとになるエチレンガスを出す野菜は?
「にんにく」「アボガド」「アスパラガス」のどれでしょうか?
答えは「アボガド」です。
アボガドを冷蔵庫に入れるときにはラップとポリ袋に入れて保存しましょう。
まとめ
食材をいい状態で長期間保存できたり、冷凍することで栄養がアップしたりする食材があったり、お気に入りのレシピは冷凍してストックしておけば、疲れた時や急ぐときにさっと調理ができますね。
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